HTMLを知らない人に、「独学でいいよ」と言っていました
踊り場からの再起動 #45|半年前、ぼくは彼を止めました。間違っていたのは、彼ではなくぼくでした。
半年前、ぼくはある人に言いました。
「そのAIスクール、やめた方がいいんじゃない」
昨日、その人と飲みました。
第一声は、こうでした。
「入って本当によかった」
あのとき間違っていたのは、
彼ではなく、ぼくのほうでした。
しかも、間違えた理由が
自分でも意外なところにありました。
その話を書きます。
止めたのは、ぼくでした
2月のことです。
ぼくが休むかどうかを決める、
その直前くらいでした。
10年来の知り合いから
「一度話せない?」と言われて、
リモートで話しました。
相談の中身は、
あるAIスクールに入ろうか悩んでいる、
というものでした。
数十万円すると聞きました。
ぼくは、たぶんこう言いました。
「やめた方がいいんじゃない」
高いと思ったからです。
それに、AIなんて自分で触っていれば
覚えられるだろう、と思っていました。
要するに、
「独学でいいよ」と言ったのです。
彼はこう答えました。
「とっかかりが今まで本当にないから、たぶん、やると思う」
そこで話は終わりました。
半年、答え合わせをしないままでした。
昨日、久しぶりに飲みました。
結論から言うと、
彼はそのスクールに入っていました。
そして、良かった、と言いました。
決して安くはなかった。
むしろ、すごく高かった。
それでも良かった理由が、
ぼくの想像とまるで違いました。
AIの前に、
ITの基礎知識が学べたのがありがたかった、
というのです。
HTML。
CSS。
サーバー。
データベース。
ぼくにとっては、
当たり前だった言葉でした。
そういうものを、
一切知らなかったんだ、と言われました。
ぼくは、そこで少し固まりました。
30年働いていても、知らない世界がありました
彼は、会社員を30年やっています。
会社では責任ある立場で、
成果も出してきた人です。
パソコンだって、
毎日ゴリゴリ使って仕事をしています。
それでも、HTMLやサーバーも知らなかった。
ここが、昨日いちばんの驚きでした。
そして同時に、
自分が何を間違えたのかが分かりました。
半年前、ぼくが「やめた方がいい」と言えたのは、
彼がぼくと同じ道具を持っている前提で
話していたからです。
自分で触っていれば覚えられる。
そう言えるのは、
触りはじめる場所を知っている人だけです。
彼は、そこを持っていませんでした。
だからあのスクールは、
彼にとっては必要な一段だったのです。
ここまで読んで、
「そんなの当たり前でしょう」と
思われた方もいるかもしれません。
たぶん、そちらが正しいです。
ぼくはもともとIT業界にいて、
大学のころにはウェブ制作のバイトもしていました。
2000年ごろ、
WindowsがXPになる前の時代です。
つまり、異常なのはぼくのほうでした。
いま、ぼくのまわりには
NinjaDAOとSubstackがあります。
ここにいる人たちのレベルが、
とにかく高い。
毎日その中にいると、
感覚が麻痺します。
「これくらいは知っているだろう」の
「これくらい」が、
どんどん上にずれていく。
昨日、それをやっと知りました。
壁は、知識だけではありませんでした
彼はいま、Claude Codeを触っています。
上のプランを契約しているのに、
使い切れずに余っている、と言っていました。
理由は単純でした。
仕事が忙しすぎるのです。
朝早くから夜遅くまで働いている。
自動化のやり方もスクールで習った。
でも、それを職場に持ち帰れない。
会社員の立場でAIを導入するハードルは、
とんでもなく高い。
人をまとめる立場だから、
自分で手を動かす時間も、もうない。
これは、すごく分かりました。
ぼくが同じ立場だったら、
たぶん触っていられないと思います。
知識の壁を越えたあとにも、
時間と立場の壁がありました。
壁は、ひとつではありませんでした。
では、分かれ目はどこにあるのか。
昨日いろいろ話して思ったのは、
知識そのものではないな、ということでした。
新しいものを面白がれるかどうかです。
面白がれる人は、
知らないことが出てきても進めます。
エラーが出ても
「まあ、出るよね」と思える。
面白がれなければ、
同じ画面が、ただの壁になります。
ぼくが2023年にChatGPTへ課金したのも、
2024年にCursorを触りはじめたのも、
人にすすめられたからでした。
どちらも、ぼくが偉かったわけではありません。
誰かが教えてくれて、
ぼくがたまたま面白がれただけです。
彼には、それを言ってくれる人が
まわりにいなかった。
数十万円は、
その代わりだったのかもしれません。
人は、自分が越えてきた壁しか見えません
ぼくはいま、
スキルや拡張やキットを配っています。
昨日はっきりしたのは、
あれが全部、壁の向こう側にある
ということでした。
どれも「まずこれをインストールして」
から始まります。
彼のような人には、
その手前にもう一段ありました。
HTML。
CSS。
プログラミングとは何か。
データベース。
サーバー。
ネットワーク。
全部を分かる必要はないと思います。
言葉として聞いたことがある、
それくらいでいい。
それだけで、
AIに何を頼めばいいかのイメージが湧く。
逆に言うと、
そこが真っ白なままだと、
何を作りたいかすら思い浮かびません。
図解にして、一度整理してみようと
思っています。
昨日いちばん効いたのは、
HTMLを知らなかったという事実よりも、
そこに気づけなかった自分のほうでした。
ぼくは彼のことを、
自分と同じ場所に立っている人だと
思い込んでいました。
人は、自分が越えてきた壁しか見えません。
越えたあとは、
それが壁だったことすら忘れます。
だから次に誰かへ助言するときは、
「この人はいま何段目にいるんだろう」と
考えてから話そうと思います。
半年前のぼくが同じ席に座っていたら、
たぶんこの話はできていません。
人には、それぞれ最初の一段があります。
もしよかったら、教えてください。
誰かに「やめた方がいい」と言われたけれど、
やってみてよかったことはありますか。
関連記事
前回は、その「壁の向こう側」にあるスキルの話を書きました。
先週、会社の同期と飲んだ夜のことは、こちらです。
はじめてこのニュースレターに来てくださった方へ。
ぼくがどんな人間で、なぜ立ち止まっているのかは、こちらにまとめてあります。
はじめての方へ — このニュースレターの歩き方








配信の後、記事もじっくり読ませていただきました。
IT・デジタル・DXリテラシーに関して、
ぼんやりと今まで理解していたことが、線でつながる。
スティーブ・ジョブズの「Connecting the dots.」を感じています。
→Duolingoみたいなヤツが良いんです。
先程ハッキリと言えませんでしたが、僕もそのスクールに通ってます。
1ヶ月以上、妻子に土下座しまくって、何とか認めて貰いました。
(状況が状況だけに、心配やら、不安やら、沢山言われましたが、ココだけは頼む...と)
何で、そんなに頑張って受講したんかな、と振り返ると...
イケハヤさんが明鏡で仰ってた、AIスクールに通う理由のふ2つに合致したからです。
と、今思えば納得できます。
▼
・強制的な環境、一緒に切磋琢磨する仲間がいる環境 に自分を追い込む。
→先に、Nin DAOの皆さんに会ってたら、これは解消されたな、とも想います。
・推し活
→はい、推し活です。だって推しメンなのだから...。
故に、ルクさんの投稿内容が、本当に、マジで、わかりみMaxなんです。
そして、AIチャットツールと、コンテキスト持ったAIとのギャップが深すぎる...。
これが、AI時代のデジタルデバイドだ!
という想いがあるが故に、僕もBrain教材を出してみたんです。
(もう1つのルクさんの想定通り、響かないのですが💦)
と、自身を振り返ることがデキる記事の共有に、いつも以上に感謝します。
ありがとうございます。