本気ですすめたものが、
「いいね」で終わってしまったことはありませんか。
嫌がられたわけではない。
興味も持ってもらえたし、
ちゃんと聞いてもらえた。
でも、その先に進まないだろうな。
と正直思いました。
先日の夜、ぼくはそれを味わいました。
「なんで刺さらないんだろう」の代わりに、
「なんでぼくには刺さってるんだろう」を
考えることになりました。
その話を書きます。
楽しい夜と、ひとつの空振り
先日、昔のチームのメンバーとの飲み会でした。
十年ほど前に、
数年間苦楽を共にした人たちです。
ぼくの件を知らない人もいたので、
ぼくのほうから先に言いました。
いま、メンタルをやられて
会社を休んでいるんですよね、と。
「意外と元気そうじゃん」と、
みんな笑ってくれました。
このメンバーが、
ぼくは本当に大好きです。
だからこそ、行きました。
楽しい夜でした。
その帰り際、
古くからの仲間と2人になったとき、
熱が入りました。
いまAIがすごいんだよ、と。
個人でもこんなものが作れるんだよ、
Claude CodeやFableがすごいんだよ、
と言いながら、
自分で作ったアプリも軽く見せました。
信頼している相手だから、
つい前のめりになったんだと思います。
反応は、ありました。
「やっぱりClaude Code使わないとかあ」
「会社ではCopilotしか使ってないんだよな」
ちゃんと聞いてくれて、
ちゃんと返してくれました。
土日にClaudeの100ドルプランに入れてやってみてほしい、
っていうふうに言ってはみたものの、
やってくれるかどうかはわかんないな、
っていうのが正直なところです。
みんなAIは使っているのに、
なんでいちばん新しいものには
手が伸びないんだろう、と。
最新のものへの好奇心が、
足りないんじゃないか、と。
言葉にした途端、
少しだけ引っかかりました。
それは、相手を少し下に見た
言い方だったからです。
じゃあ、ぼくの好奇心はどこから来たんだろう
歩きながら、振り返ってみました。
中学1年のとき、
みんながカセットテープで音楽を聴いていた頃に、
お年玉でMDプレイヤーを買いました。
周りでは一番最初に持っていたのが僕だったと思います。
友達に貸して
「音、いいな」と言われるのがうれしかった。
高校の時は、
エヴァンゲリオンのビデオを
レンタル解禁日に借りて回り、
ゲームに夢中になって、
「遊ぶ側じゃなくて、作る側になりたい」と
情報系の大学を選びました。
大学ではWebデザインのバイトをして、
2002年にはMovableTypeでブログを始めて、
iPhoneの初代は発売日に
深夜から並んで買いました。
つまりぼくは、
昔からずっとこうなんです。
新しいものが出ると、
触らずにいられない。
面白かったら、
人に勧めずにいられない。
要するに、オタクなんです。
で、ここで手が止まりました。
「どうすればオタクになれるのか」に、
ぼくは答えを持っていません。
気がついたら、なっていたからです。
誰かに勧められてなったわけでも、
努力してなったわけでもない。
MDプレイヤーを買った中1のぼくに、
理由なんてありませんでした。
だとすると、
みんながClaude CodeやFableを使うには
どうすればいいんだろう、という問いに、
「好奇心を持てばいい」と答えるのは、
何も答えていないのと同じです。
好奇心は、
持とうと思って持てるものではないからです。
使っていないわけでは、ないんです
あの夜の仲間は、
AIを使っていないわけではありません。
会社に入っているCopilotを、
仕事でちゃんと使っています。
そのうえで、
いちばん新しいものにまでは
手が伸びていない。
それだけのことです。
仕事はできるし、
人の話をよく聞いてくれるし、
休職中のぼくを気にかけて、
最後まで付き合ってくれました。
ぼくがMDプレイヤーに夢中だった頃、
別のことに夢中だった友達がいたのと、
同じことです。
それでも、です。
パソコンが来たとき、
スマホが来たとき、
乗った人と乗らなかった人がいて、
数年後に景色が変わっていました。
いまがそのタイミングだと、
ぼくは思っています。
だから、焦りは残ります。
大好きな人たちだからこそ、
置いていかれてほしくない。
でも、押しつけて動くものではないことは、
あの夜に分かりました。
好奇心は、出せる状態かどうか
ひとつだけ、気づいたことがあります。
ぼくがいまこうしてAIを掘れているのは、
立ち止まったからでもあります。
会社を休んで、時間ができて、
昔からの好奇心を
また全開にできるようになった。
好奇心は、あるかないかだけじゃなくて、
出せる状態かどうかでもあるのかもしれません。
だとしたら、ぼくにできるのは、
面白がっている姿を
隠さずに見せ続けることくらいです。
中1のぼくのMDプレイヤーを、
「ちょっと貸して」と言ってくれた
友達がいたように。
いつか誰かが
「それ、ちょっと見せて」と言ってくれたときに、
すぐ渡せるものを作っておくこと。
また、あのメンバーと飲みたいです。
そのときもたぶん、
ぼくは同じ話をすると思います。
もしよかったら、教えてください。
あなたの好奇心の源泉は、何でしたか。
身近な人に「これすごいよ」が
伝わらなかった経験でも構いません。
返信で聞かせてもらえたらうれしいです。
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半年前、ぼくは逆のことをしていました。やろうとしている人を、止めた話です。
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ぼくがどんな人間で、なぜ立ち止まっているのかは、こちらにまとめてあります。








ルくさん
これ、「私のことだ」と思いながら一気読みしました。
・1994年ころ、トランシーバーのような携帯電話をいち早く購入
・スマホもいち早く使い始めた
・初期のLINEに可能性を見出し、職場のメンバーに反強制でインストールさせた(笑)
・会社のFacebookページを初期の頃に開設し、日経クロストレンドに取材してもらった
・大企業が手を出さなかったニコニコ動画を広告活用した
・デジタルサイネージも超初期の頃からPoCで試した
・戦略PRを社内で提唱するも理解が得られず、部長と大喧嘩(汗)
・退職間際(2025年5月)、LLMOの重要性を説き、導入しようとしたがタイムアップ
等々
自分の嗅覚には自信があり、周囲を巻き込もうとするのですが、
だいたい「また、何か騒いでいる」と冷たい目で見られます(笑)。
数年経って、「確かに、お前が言っていた通りになったな」と言われる。
次第に、慎重派がマジョリティの大企業風土に疲れ(諦め)、
自分と同様の好奇心・行動力を持つ人々が集まるコミュニティにのめり込んでいく。
そんな自分と重ね合わせながら、ルくさんの投稿を読みました。
今になって言えるのは、「会社」という世界に閉じていると、
「なぜ、皆、理解してくれないのか?」というフラストレーションだけが貯まる。
一方、社外の最先端テクノロジーを語り合える場所と接続することで、
自分の欲求が満たされ、会社に対して寛容な気持ちになる。
会社には、会社の事情と速度があるのだから仕方がないと。
長文、失礼しました。
ルクさん、痛いほど首がもげるくらい共感しながら読みました。
僕も数年前、会社に「Notion」を導入しようと企んで完全に玉砕した苦い経験があります。
「これを使えば仕事が劇的に変わる!」と前のめりに熱弁したものの、
返ってきたのは「へぇ〜すごいね(でもExcelでいいや)」という薄い反応でした。
当時は「なんでこの凄さが伝わらないんだろう」と相手の好奇心不足を疑ってしまいましたが、
まさにルクさんの言う通り、相手には相手の日常があり、余白(出せる状態)がなかっただけなんですよね。
「面白がっている姿を隠さずに見せ続ける」
「『ちょっと見せて』と言われたときに渡せるものを作っておく」
というルクさんの言葉に、胸のつかえがスッと取れました。
僕もまずは自分が一番のオタクとして楽しみながら、
いつか誰かが手を伸ばしたときに差し出せるものを磨いておこうと思います。
素敵な気づきをありがとうございます★