AI法務担当に背中を押してほしかったのに、強く止められました
再起動ラボ #27|AIに相談したら、自分が本当は何にビビっていたのかが見えました。最後まで残ったのは、法律ではなく「覚悟」でした。
作ったゲームの、iPhone版が完成していました。
あとは「審査へ提出」を押すだけ。
でも、ぼくは押せませんでした。
背中を押してほしくて相談した相手は、
ぼくがつくったAIオフィスのAI社員(法務担当)です。
返ってきたのは、
「その選択は、もう戻せませんよ」でした。
AIは、リスクを一つずつ整理してくれました。
でも、最後まで残ったのは、
法律の問題ではありませんでした。
「実名を、世界に出す覚悟があるか」
それだけでした。
今日は、そのボタンを押せなかった理由を書きます。
火曜の夜、あと一歩のところで手が止まりました
火曜の時点で、
アプリの準備はほぼ終わっていました。
指を伸ばせば、
作ったものが世界の店頭に並ぶ。
そこでふと、
「これって、法律とか会社のルール的に大丈夫なんだっけ」
と思ったんです。
それで、AIオフィスのAI社員に、
法務担当をひとり雇いました。
前回、AI社員のいる会社を作った話を書きました。
(前回記事:休職中に、13人のAI社員がいる会社ができていました
https://rukupractice.substack.com/p/13ai )
その会社に、
今度はいちばん個人的で、重たい相談をしたことになります。
「これを出すリスクって、どんなものがある?」
そう聞いたところから、
昨日は一日中、葛藤していました。
正直に言うと、
審査の画面を前にしても、体は何ともなかったんです。
体の反応が出たのは、
AIと壁打ちしている、その最中でした。
胸のあたりがざわっとする感じ。
あの感覚が出たのは、久しぶりでした。
頭では、まだ「行ける」と思っていました。
でも体のほうが先に、
答えを出していたのかもしれません。
名前が出ることは、軽く考えていました
個人でアプリを出すと、
開発者の名前が世界に表示される。
それ自体は、前から知っていました。
だから、せめてもと思って、
表示される名前はアルファベットにしておいた。
そのうえで、
高をくくっていたんです。
アルファベットにしておけば、誰も気づかないだろう。
そもそも、
「このアプリ、誰が作ったんだろう」なんて、
わざわざ見る人はいない。
ぼく自身、他人のアプリの開発者名なんて、
気にして見たことがなかったので。
だから相談するまでは、
「名前が出ても、まあ行っちゃえ」
くらいの気持ちでいました。
背中を押してほしかったのに、強く止められました
正直に言えば、
ぼくはAIに、背中を押してほしかったんです。
「多少のリスクはあるけど、
天秤にかければ、今行くべきですよ」
そう言ってくれると、
どこかで期待していました。
でも、返ってきたのは逆でした。
ぼくは食い下がりました。
「会社に知られる可能性は、どれくらいあるの?」
「高くありません」とAIは言いました。
「ただ、一度この活動に名前が紐づいたら、それは取り消せません」
「じゃあ、テスト版で配れば名前は出ない?」
「出ます」
「名前を、法人名や屋号にする道は?」
「その道はあります。でも、法人や開業の手続きが要ります。
休職中のあなたには、それ自体が、別のリスクになります」
どの道を探しても、
答えは同じところに戻ってきました。
「押さなければ、失うものは、ほぼありません」
「でも、押して間違えたら、それは取り消せません」
回避策を、いちばん欲しがっていたのは、ぼくのほうでした。
それでもAIは、
事実だけを、静かに並べてきます。
この一言で、
天秤が動かなくなりました。
最後まで残ったのは、法律ではなく覚悟でした
リスクを一つずつ切り分けてもらった結果、
最後に、たった一本だけ残りました。
AIは、こう言いました。
「ここから先は、事実の確認ではなく、覚悟の判断です」
実名を、世界に出す覚悟があるか。
これだけは、AIが代わりに決めてくれませんでした。
このとき、思ったんです。
AIは、事実を全部そぎ落としてくれる。
でも最後の一本、
「覚悟」だけは、ちゃんとこちらに残していく。
選択肢は、たぶん3つでした。
これからもずっと出さない。
今は出さない。
今、出す。
どれを選ぶかは、事実じゃなくて、
ぼくの腹の問題でした。
ここで、正直に書いておきたいことがあります。
いまのぼくは、
生活費のほとんどを、勤め先に支えてもらっています。
休んでいる身です。
その状態で、
何か大きな活動を始めているように見えたら。
「療養に専念していないんじゃないか」
と受け取られても、おかしくない。
もし立場が逆で、
ぼくが、休んでいる誰かを送り出す側だったら、と考えてしまうんです。
趣味でアプリを作るのはいい。
でも、新しい事業を起こそうとしている、
と見えたなら、それは少し話が違ってくる。
ぼくに、いま事業を起こす気はありません。
でも、そう見られてしまうリスクまでは、
背負えなかった。
会社にバレる可能性なんて、
たぶん99%ないと思います。
でも、残りの1%が起きたとき、
もう元には戻せない。
セキュリティと同じだな、と思いました。
いちばん怖かったのは、「ルク」が壊れることでした
AIと話しながら、
もう一つ、気づいたことがありました。
ぼくが本当に怖かったのは、
会社ではなかったんです。
会社に知られるリスクは、
正直、そんなに高くないと思っています。
それよりも怖かったのは、
「ルク」と本名が、つながってしまうことでした。
匿名でやってきたこの活動に、
「これ、実はあの人なんだ」がくっつく。
そうなったときの、
あの、すっと熱が冷めるような感じ。
あれが、いちばん嫌でした。
言い換えると、
ぼくにとって「ルク」という活動は、
それくらい大事なものになっていた、ということです。
これは、今回はじめて気づいたことでした。
受信箱には、
「アプリを公開しました」というメールが、
ちょうど同じ時期に何通も並んでいました。
正直、うらやましかったです。
その人たちにとっては、
名前が出ることが、リスクになっていない。
立場が違うだけなんだ、
と頭では分かっています。
分かっているんですけど、
やっぱり、少しだけ、うらやましかった。
AIに相談して、自分が本当に怖がっていたものが見えました
止められたのに、
「相談してよかった」と思っているのは、変かもしれません。
でも、こう思うんです。
もし相談していなかったら、
ぼくはたぶん、勢いで押していました。
そして、あとで気づいて、
青くなっていたと思います。
AIは、答えを代わりに出してはくれませんでした。
その代わり、
ぼくが本当は何にビビっているのかを、
一枚ずつめくって見せてくれた。
「会社バレが怖い」んじゃなくて、
「ルクが壊れるのが怖い」んだ、と。
それが見えたのは、
ひとりで悩んでいたら、たぶん無理でした。
判断を代わりにやってくれる存在ではなく、
判断を磨いてくれる相棒。
今回のAIは、そういう感じでした。
情けないし、悔しい。でも、それが僕でした
正直に言います。
情けないし、悔しいです。
「あそこで出しておけばよかった」と、
あとで後悔する気も、しています。
ここでリスクを取れないんかーい、というのが、
たぶん、ぼくなんですよね。
でも、これだけ考えたうえで、
もう一度あの画面の前に戻れたとして。
たぶん、それでも、
ぼくは押せなかったと思います。
だから今日は、
「決断できた話」ではなくて、
「決断できずに止まっている自分」を、そのまま残しておきます。
リスクを取って進める人が、えらいわけでも。
止まったぼくが、弱いわけでも、ないと思いたい。
ただ、ぼくには今、
守りたい名前がある、というだけの話です。
AIは、答えを出してはくれませんでした。
でも、ぼくが自分でも気づいていなかった恐れだけは、
ちゃんと見せてくれた。
それだけでも、
相談した価値は、じゅうぶんありました。
あなたにも、
準備は終わっているのに押せなかったボタンは、ありますか。
その手が止まる理由を、
一度ちゃんと言葉にしてみるのは、悪くないと思います。
よければ、あなたの「押せなかったボタン」の話も、返信で聞かせてください。
このゲーム、ぼくはけっこう気に入っているんです。
だからこそ、名前を出さずに届ける方法を探しています。
次回は、そのあとぼくが選んだ「名前を出さない届け方」について書きます。




私も実名は出さないようにして活動してますけど、メリットの方が大きいのでそうしてます。
Web3やAIのように進歩が早くてリアルの世界の方が追いつけてない場合は、Web3での活動はフリーランスでもない限り実名を出すのはデメリットの方が大きいと思います。
Web3と全く関係ないところでの副業ならまだリスクヘッジできますが、ルクさんぐらい名が売れてしまうとその事自体がリスクになっちゃいますよね。
たしかに幅広く活動しながらフルタイムのサラリーマンをやっていると、デジタル発信の部分で色々気にする気持ち分かります